スマポエ
『F e e l .』
2.
『カミサマと同じでですね、この羽根も、別の意思を持っているですよ』
所々擦りむいていた少女をそのまま放置する事は人道的に反すると思って、自力で窓から中に入ってもらった。
半端な救出だと我ながら思ったけど、少女の背中には羽根があったし、ボクは人じゃないからオッケー。
…だと思う。
さっきまでボクが寝そべっていたソファーに少女を座らせた。
『・・・ヘェ〜』
なま返事を返しつつ、少女の膝小僧に絆創膏をペタリ。
ここの住人は人間じゃないから、正直救急箱なんてのがあることに、少女が家の庭に落ちてきたことより驚いた。
アッシュかな、用意したの。
他の傷も、手際よく消毒していく。
『ん?何が同じ?』
おそばせながらボクの脳に引っかかった違和感を、そのまま出してみた。
『カミサマと、ですよ。カミサマの影と、ポエットの羽根』
じゃぁどこかに顔でも付いているのカナ・・・?
絆創膏を貼りつつ、目だけで少女の羽根をみた。
てかポエットって言ったか、今この子。
ポエット。ポエット。
・・・ポエットちゃん・・・ヨシ覚えた。
『ポエットとは違う意思を持っているのですよ』
ヘェ・・・そうなんだ。
それきりポエットは何も喋らず、黙ってボクの手先を見ていた。
『・・・ハイっ!オシマイ☆』
とりあえず見える所の傷はすべて塞ぎ、ポエットは顔を上げる。
目が合った。
ボクは他人と目を合わせるのが苦手だ。
心を見透かされているような気がするから。
反射手時に目をそらそうとするより早く、ボクの目の前に現れた太陽のような笑顔。
ボクの目を見てしっかりと、笑った。
『ありがとうっ!』
不覚にも、ボクの頬が上気する。
うわ、わわ・・・。
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